2011年12月5日月曜日

時を超えろ


テレビ番組で、引きこもり高齢男性の自室を見たことがある。

それは、少し生活のための物が多いのび太くんの部屋だった。
ああ、この人の時間は小学生で止まってしまったんだ、と思った。

ひいきの定食屋に行くと、よく90年代ヒットJ-POPが流れている。おそらく有線にそういうチャンネルがあるのだろう。ボーカルの力量やオリジナリティはやっぱり当時のものの方が圧倒的で、若者これどうよとは言いたくなる。でもそれ以前の問題があるのだ。

編曲とサウンドの仕上げが耳障りで正直長く聴いてられない。

普段買い物や食事をする店のBGMとして聴く程度の経験だけで、今の録音編集技術レベルに耳が慣れてしまったのだ。

ん十年間趣味はこれひとすじです!というものを持てるのは誇れることだと思う。
ただ、ベテランの域に到達してから今まで、鑑賞眼であれ表現力であれ何も変わっていなかったら、それは趣味への情熱ではなくて脳の衰退だと解釈した方がよい。

震災を節目に自分の価値観は大きく変わった!とおっしゃる向きは多いと思う。
ただ、今「当時のあなたが大規模災害を経験したらいかにも言い出しそうなこと」を言っているとしたら、それはあなたではなくて環境が変わっただけだ。

自覚するのは難しいけれど、同じ景色を見て目に入って識別できるものが増えたのなら、成長していると言っていいのではないかと思う。

時間は誰にも平等に訪れる。古い時の壁を破るのは、想像よりも億劫で、想像よりもたやすい。
さあ。時を超えていこう。


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